KNOT & MILE← ジャーナル

旅の記録 ・ CANADA, VANCOUVER ・ 2026.06.21

カナダ Day1 — 台風の幕開けから、忘れられない一皿まで

「いよいよ、憧れのカナダへ」——胸を高鳴らせて向かった成田空港で待っていたのは、まさかの台風でした。4時間30分の遅延、飛べるかどうかも分からないまま迎えた出発。そんな波乱の幕開けから、リッチモンドの海辺で出会う忘れられない一皿まで。旅のはじまりの一日を、そっとお裾分けします。

台風の朝、成田空港にて

空港に着いてまず目に入ったのは、見渡すかぎりの人波でした。台風でダイヤは大きく乱れ、ホールはこれまで見たことのない混雑ぶり。私たちのZIPAIR 成田発バンクーバー行きも、4時間30分の遅延が決まっていました。

「本当に飛ぶのだろうか」と、思わず不安がよぎります。それでも、慌てないことが旅の心得。じつは前日のうちに、初日の手配はすべて組み直しておいたのでした。

ぎっしりと詰め込んだ日程ほど、もろいもの。初日は予定を欲張らず、余白を残しておく——それが、今回いちばんの学びでした。旅のはじまりは、どうかゆったりと。

前夜の、静かな組み直し

欠航も覚悟して、必要な手続きは空港でも整えました。ラウンジを使える一枚を持っていると、電源もWi-Fiも整った静かな場所で待つことができ、心からありがたく感じます。お得なカードの選び方は、また別の機会に。

行列の空港で、ささやかな腹ごしらえ

手配が落ち着き、「何か食べてから乗ろう」と思った矢先。空港のお店は、どこも長い行列ができていました。

コンビニもファストフードも列ばかりで、結局なにも買えず。最後にたどり着いたのは、お土産屋さんでした。

そこで手にしたのは、歌舞伎揚とプリングルス。いわゆる“空港価格”で、ふたつで1,270円。なかなかのお値段です。

普段なら選ばない値段ですが、背に腹はかえられません。ダイヤが乱れる日は、早めの腹ごしらえを心がけて。

ZIPAIRという、心地よい誤算

荷物の個数や重量の制限はきめ細かく、超過すると追加料金がかかります。事前のパッキングは慎重に。フルサービスにするかLCCにするか、総額で見比べて選ぶのがおすすめです。遅れながらも、機体は無事に空へ。

座席まわりの設計が巧みで、足もとにもゆとりがあります。長いフライトでも「これで十分」と思える、心地よさでした。

バンクーバー到着。現金は、少しだけ

ようやくバンクーバーへ。ATMで引き出したのは、わずか100カナダドルだけ。カナダはカード決済がとても充実していて、現金の出番はほとんどありません。WiseRevolutがあれば、現地のATMでお得に引き出せます。

Wiseの仕組みや使い方は、こちらの記事で詳しく解説しています:海外旅行の必需品「Wise」とは?クレジットカードとの違い・使い方

空港では、木彫りの像がそっと出迎えてくれました。

まずは100カナダドルを引き出して。現金を使う場面はほとんどありませんが、チップ用に小銭へ崩しておくと安心です。

空港から宿へ。スカイトレインは、Suicaの感覚で

初日の宿は、急きょリッチモンド地区に。スカイトレインはカード決済に対応し、乗るときと降りるときにタッチするだけ。まるでSuicaのようです。非接触のクレジットカードは欠かせません。リッチモンドも便利で居心地のよい街。ダウンタウン以外を選ぶのも、十分にありです。

リッチモンドへは、ここで一度乗り換えを。

バスが頼もしい。地図とカードがあれば、どこへでも

バンクーバーはバス網がとても充実しています。Googleマップが「歩く→乗る→降りる→また歩く」までの道のりをすべて案内してくれて、本当に心強い。バスは乗るときにカードをタッチするだけ、降りるときはそのまま。時間内なら乗り換えも同一料金です。降りぎわ、運転手さんに「サンキュー」と声をかける——その習慣も、なんともすてきでした。

簡素なバス停でも、きちんと停まってくれます。

屋根とベンチのある、ひと休みできるバス停も。

成田空港で手配した、リッチモンドの宿。必要なものは、ちゃんと揃っています。

ふかふかのベッドに、ひと安心。荷物を置いたら、お腹を満たしに出かけましょう。

スティーブストン散策。色とりどりの港町へ

Gulf of Georgia Cannery National Historic Site。

中には入りませんでしたが、ひときわ目を引く建物で、散歩や地図の目印に重宝しました。

レトロな建物が連なる港町は、どこを切り取っても絵になります。曇り空さえも趣きになって、しっとりとした漁港の空気によく似合っていました。

フィッシャーマンズ・ワーフのゲートも、ひとつの絵に。

ふと目にとまる、どこか懐かしい日本語の看板。「冬に熱燗」——なんとも粋な一言でした。

この旅の目当て。忘れられないフィッシュ&チップス

いよいよ、お目当てが見えてきました。

向かったのは、ギャリー・ポイント・パークにほど近い「Garry Point Grill ‘N’ Chips」。定番のコッド(たら)を一品だけ注文します。「もっといかが?」の声にも、「これで十分です」とぐっとこらえて。テイクアウトなのでチップは基本不要。最後に「To go か Here か」と尋ねられたら、前者は持ち帰り、後者はその場で。覚えておくと安心です。

注文を受けてから揚げてくれるので、10分ほど待つと、熱々のフィッシュ&チップスが。

ひと口食べて、思わず声がもれました。衣はさくり、中の身はふっくらとジューシー。旅のあいだ何軒か食べ比べましたが、ここがいちばんでした。税込でひとつ1,600〜2,000円ほど。カナダではむしろ良心的な部類です。

美味しくて、つい二品目に手が伸びて

あまりの美味しさに、もう一品。今度は wild halibut(オヒョウ)を。たらより少し贅沢ですが、これもまた絶品でした。食べ比べた結論としては「コッドで十分」が正直なところ。それでも、このお店だけは、ぜひハリバットを。タルタルソースも忘れられません。

ギャリー・ポイント・パークへ。流木の浜と、漁師たちの物語

じつはこのスティーブストンは、かつて多くの日本人漁師が暮らした土地。今も静かな日本庭園が残されています。

地元のスーパーで、宿での晩酌の支度を

街を歩いていると、地元のスーパーマーケットを見つけました。これは立ち寄らずにいられません。「Save-On-Foods」というお店で、果物も野菜も、肉やチーズもとても充実しています。

翌朝のためのパンとサラダ、ドレッシング。量り売りのハムや、チーズのおつまみも少しだけ。量り売りやデリを上手に使えば、旅の出費もやさしく抑えられます。

このサラダパックには、ずいぶん助けられました。トマトを少し添えれば、もう立派な一皿です。

焼き鳥のような串も気になりましたが、温める術がなく、今回は見送りに。

ハムの量り売りも、とても充実しています。手頃な値段で、100g単位から選べるのがうれしいところ。どれも美味しそうで、つい目移りしてしまいます。

スーパーにお酒がない。リカーショップへ

カナダのスーパーでは、お酒を扱っていません。買い求めるには、専門のリカーショップへ。ビールは600〜800円ほど、ワインはカナダ産なら1,500円ほどから。ご当地の一本を選べば、土地の気分まで味わえます。

Steveston Liquor Store

宿に戻って、しあわせなひとときを

おやすみなさい、カナダ初日

波乱の遅延に始まり、前夜の組み直し、空港でのささやかな腹ごしらえ、そして忘れられないフィッシュ&チップス——盛りだくさんの一日でした。長旅と時差で疲れた体に、カナダ産のビールとワインがやさしく沁みます。宿で静かに乾杯して、その夜はぐっすりと。

明日は、どんな一日が待っているでしょう。それでは、Day2でまたお会いしましょう。おやすみなさい。

豆知識:西海岸では「一日を二度」過ごせる

日本からアメリカ大陸の西海岸へ向かうと、「同じ一日を二度」過ごせることがあります。たとえば午後3時発、到着は同じ日の午前9時。時差がくれる、ちょっとした魔法です。帰りはその逆で、まる一日が消えてしまいますが。

旅のデータ

スティーブストン・ハーバーと、ギャリー・ポイント・パーク周辺のMAP。

スティーブストン・ハーバー/ギャリー・ポイント・パーク周辺の地図(Google マップ)